Sigfox対応機器であるSens’itのVer3をSORACOM経由で使ってみたので手順をまとめます。

 

Sigfoxってそもそも何?

SigfoxはLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる無線ネットワークのことです。フランスのSigfox社が1国1社の代理店と契約し、日本では京セラが提供しています。

メリットデメリットは以下の通り

【メリット】

  1. 低消費電力(電池で数週間~数年動くデバイスを作れます)
  2. 長距離通信可能(見通し距離~10km)
  3. 安い(数百円/月)

【デメリット】

  1. 遅い(100bps)
  2. 送信可能なデータ量が少ない(12バイト)
  3. 回数制限(140回/1日)
  4. 下り通信(ユーザー → デバイスへの通信)は1日4回まで

いろいろ制約はありますが、アイデア次第で色々な使い方が出来る夢のあるネットワークだと思います。

Sigfoxの構成

公式サイトをみると下記の説明があります。

これだけだとざっくりし過ぎていて分からないので私が調べた範囲で書き足してみます。(内容については保証出来ません。誤りがあればご指摘下さい。)

Sigfoxはデバイス、網、クラウドの大きく3つで構成されています。

各デバイスはそれぞれIDが割り当てられていて購入するとすぐに利用出来ます。(携帯電話のようなイメージ)

Sigfox網は実際の無線の設備部分になるので、利用者はサービスエリアや電波強度以外は気にする必要はないと思います。

Sigfoxクラウドはインターネットへの出口となる部分です。デバイスとクラウドがセット販売されているケースが多いのですが、

クラウドを変更する事も可能です。Sens’itは購入当初はSens’it.ioというクラウドにデータが送られますが、今回はそれをSORACOMに変更してみます。

 

Sigfoxの回線とクラウドについては、個人的にはNTTのフレッツ網とプロバイダーの関係に近いと考えています。

網の部分については早い・遅い、つながる・つながらないという事位しか気にする事はありません。

プロバイダーについては価格や提供されるサービスが違ってくるといったイメージです。

※パソコンや終端装置についてはつなぐための設定が必要なので、Sigfoxのデバイスとはイメージが違います。

Sens'it Ver3をSORACOMで利用する手順

ここからがようやくSens’it Ver3をSORACOMで利用するための手順となります。

【前提条件】SORACOMのアカウントを作成済みであること

  • 機器を購入する。
  • sensit.ioへデバイスを登録
    • Sensit.ioに接続し、購入したデバイスを登録する。(マニュアルの5~6ページ参照)
  • PACの確認
    • デバイスのPAC(Porting Authorization Code)を確認する。(マニュアルの7ページ参照。8ページ以降は実施しないこと。)
  • SORACOMへデバイスを登録
    1. SORACOMユーザーコンソールにログインする。
    2. メニューから「Sigfoxデバイス管理」を選択する。
    3. 画面左上にある、「デバイス登録」ボタンを押下する。
    4. 「Sigfoxデバイスの登録」画面が表示されるので、デバイスID(機器背面に記載)、PAC(上述のマニュアル参照)、Product certification ID(”P_0006_DAD8_01”)を入力し、「登録」ボタンを押下する。Product certification IDについてはここに記載されています。

 

ここまでの手順でSens’it Ver3デバイスのデータの送信先がsensit.ioからSORACOMに変更されましたが、このままではデバイスから送られたデータの内容を確認する事が出来ません。Ver2まではここに記載された手順で内容を確認できましたが、Ver3には対応していないそうです。次回はデバイスから送られたデータを解析する手順を記載ます。